【ママ自身が自分を知る】

『自己覚知(じこかくち)』って言葉、知ってますか?
『自己覚知』とは『自分を知る』ということ。
「私ってどんな価値観なんだろ?」「私ってどんな性格なんだろ?「私ってどんな気質なんだろ?」「私って、どんな倫理観なんだろ?」「私ってどんな時にストレスを感じやすいんだろ?「私ってどんな時に追い詰められちゃうんだろう?」等。
そして、「どうして私はそんな(価値観、性格、気質、倫理観等)になったんだろ?」と、自分自身の育ってきた環境や過去の出来事を振り返り、そのことを客観的にみて、『自分自身がどういう人なのか』を理解すること。
私が仕事としていた相談業務などは『対人援助職』と呼ばれ、一番最初に『自分自身の自己覚知を行うこと』を言われるんです。
なぜか?
簡単に言うと、「自分の先入観や価値観、倫理観などを優先するような相談業務は行わないようにするため」なんです。
誰かに何かを相談する時って、相談する相手と信頼関係が築けているかどうかってとても重要ですよね。その相談相手から相手の価値観を押し付けられた時、「この人に話しても」と思ってしまい、再度相談しようとは思わないと思います。信頼関係は築けません。
そして、ソーシャルワークという仕事は、『相談者自身の自己決定の尊重』が基本です。
私自身の価値観の押し付けではなく、相談者自身の考えや価値観、相談内容が軸となっているか。
この『自己覚知』を基本の基として仕事をしてきた私。
母親になって、自然と自分を客観視することで、冷静になれる時が。
きっと、この『自己覚知』が役に立っているんじゃないかと。
無農薬・無化学肥料は当たり前、美味しさの秘密は露地栽培!旬の野菜だけをお届け【ココノミ】
私自身のことを話しますと
・正義感が強く、曲がったことが大嫌い
・想定外が嫌いだから短期目標と長期目標を立て、スケジュール通りに行動
・与えられた課題に対してはどんな状況下であったとしても、絶対に達成しなければならない。出来ないのは、自分の努力不足
・人を頼らない
・一般論といわれる「世間多数論」に流されがち
・自分に厳しいが、人にも厳しいところあり
・根に持つタイプ
・上司、部下の関係は運動部系の考え方 等
まあ、このままの性格を表面に出していたなら、今の時代、パワハラだのなんだの大問題。
結論から言いますと、仕事で、部下が辞めたことは一度もありませんでした。(よかった!笑)
うまく猫かぶっていたのかも・・・・・・じゃなくて、相談業務だけではなく、ここでも『自己覚知』が上手く作用されていたのだと思います。自分の枠に当てはめるのではなく、相手の価値観、性格、倫理観等を考えたうえで、どのように対応するかを考える。
そして、今は子育て。
保健室の先生の教員免許も取得している為、子供の発達や心理に関してもある程度は勉強してきました。なので、知識は多少なりあります。
ただ、自分の内面にあるものをむき出しに子育てしていたら、私はMyルールから「いろいろはみ出している」幼少期の子供に虐待してしまいます。
だって子育ては、「自分にとって想定外。イレギュラーだらけ」だから。
冷静な今だから言えますけど、「何で~なの!?」って感じる子供の行動って、親都合の視点のことがほとんど。
きっと子供からしたら「なんで今〇〇しなきゃいけないの?」って言葉が返ってきそう。笑
「泣き続ける」ことも「なんで泣き続けたらいけないの?」と。
もちろん、自分の気質が変わるわけではないので、イライラする時もありますよ。このコラム書いてるからって完璧ではありません。
だけど、その時に「あー。私ってこういう部分があるよなー。悪い部分が出てきた。とりあえず、一旦リセット。」って思えるか思えないか。
自分のことって、誰かに指摘されると、素直に受け入れることが出来ないことがありませんか?
だけど、自分で自分の性格を分析し理解しておくと、人に指摘されるより受け入れやすい気がしています。
「子供ってみんな同じように発達、成長するわけではない」って頭では思っても、自分自身の子供が、少し成長曲線からはみ出てしまったり、月齢別の「できること」が出来なかったりすると不安を感じるものです。
そして、その解決方法として、本やインターネット、SNSなどのから、自分の子供と同じ成長過程を辿る情報を探し出し、安心しようとします。その情報が正しいのか否かの判断は別として。
そこで、安心できなかった時、更なる不安が押し寄せ、それがストレスとなり蓄積されていく・・・。そして、自分自身の育児に疑心暗鬼になり、自信を無くしそのストレスが子供へと向くことも。
だけど、その時に「自分は情報に流されやすい。こういったことに強くストレスを感じるタイプ。そう言った時にどういう対処をするのが、自分にとって一番よいのか。」を冷静な時に考え対処カードをストックし、必要な時に出せるようにしておく。
いろいろと子育て支援はあります。だけど、追い詰められた状態でどのカードを利用するか、その精査をすることは安易ではありません。
そして、その『自己覚知』で見つけた自分の姿を、自分自身がまずは受け入れてあげてください。
しっかり受容して、自分の苦手分野に対する対応方法を検討すればいいんです。
子育てをするようになって、私が一番自分で意識をして変えたこと。
それは【人に頼る】こと。
私の母親はワンオぺ育児で、私を育ててくれました。
私が社会人になった頃に、病気が判明。8年前に他界しています。
ずっと、そんな母親に迷惑はかけられないと、気を張り、人にも頼らず、やってきました。
「人に頼る習慣」が無いから、今でも苦手です。
でも、子育てが始まり、自分自身のキャパシティーが『いっぱいいっぱい』で子育てをしても、子供にとって、本当にそれが良い環境なのか?ということを考えるようになりました。
私が『いっぱいいっぱい』で余裕がなくなると、子供に対してそのしわ寄せがおきる。
「これだけ私は一人でやっている。頑張っている。」
その事を、自分自身が過剰評価をする怖さを感じました。
「託児所や一時預かり、ベビーシッターなどを利用して、ちょっと自分の時間を作る。」
核家族化が進み、一人、悩み、考え、多くの情報に感情をかき乱される現代社会。
お母さんって24時間営業。子供の事故が起きる時は一瞬。数秒のこと。
その、いつ起きるかわからない数秒の事故から小さな命を守るために、常に気を張り続けているんです。
寝たい時に寝れるわけではありません。寝入った瞬間に夜泣きで起こされることもしばしば。子供が寝ている時には家事。
じゃあお母さんっていつ休むの?
『育児』が『ブラック企業化』しつつある現代。
そんな時間が親にも必要だと思います。意図的に作る必要があると思います。
離れる時、子供は泣くかもしれません。
でも、「ずっとイライラしたお母さん」より「数時間離れてニコニコのお母さん」の方が、自分が子供だったら、嬉しい気がします。
福祉の業界では、そのようなサービスや支援を『社会資源』と呼びます。
『社会の資源』を活用してください。
何の為の『社会資源』か。子育て家庭が『健康に生きる』ためのものです。
『健康に生きる』とは、「身体的、精神的、社会的健康」のことです。
その、『社会資源』として、安心できるサービスや支援を提供できるように、その分野の方達は、日々、自己研鑽に励んでいます。
自分だけの子供への向き合いだけでは発見できなかった事を見つける機会にもなりますよ。
頑張り過ぎているママに、この文章が届きますように。